「襤褸(ぼろ)展」

2022/4/9(土)〜4/20(水) 
火〜金 10:00-17:00
土日祝 10:00-18:00 (最終日のみ 10:00-16:00)
月曜定休

擦り切れるまで使い込まれた布団は、裏から布を当てて補修される。しかし、使い続ければ再び擦り切れて、布の上にはさらなる布が当てられる。ついには表からも布を当てねばならなくなる。
こうして何代かの人の手によって、数えられないほどの継ぎ布があてられた襤褸(ぼろ)がかたち作られていく。
当然、美術を意識して作られたものではないけれど、いつのまにか不思議なほどの美しさが宿っている。
ここまで継ぎはぎを繰り返さなければならなかった当時の暮らしぶりが、いかに過酷で慎ましいものであったかを考えると、それを美の対象として眺めることは軽率なことかもしれない。
けれども、きびしい時代を耐え抜き、いま確かに存在するその襤褸からは、圧倒的な強さと輝きが放たれているのだ。
それは、長い年月を生き抜いてきたからこその賜物ではないだろうか。

「襤褸展」では、明治から昭和初期頃までに生まれた襤褸ご覧いただきながら、道具の本性としての強さと優しさを感じていただきたく思います。
同じ会期にて、お隣の「画室」では「こっとう動物園 ②」が開催されます。合わせてご覧いただけますと幸いです。